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Column2 /
私たちの食生活に欠かせない存在である砂糖。その役割は、単なるエネルギー源にとどまりません。たとえば、脳の働きを助けたり、気分を安定させる「セロトニン」の分泌を促したりと、心と体の両面にさまざまな影響を与えるとされています。
「食べすぎはよくない」と思いながらも、「ちょっとだけ」のつもりが、思った以上の量を食べていた―というのはよくある話です。甘いものもその一つと言われていることから、砂糖には「やみつきになりやすい性質があるのではないか」、さらには「依存性があるのではないか」といった観点からの研究が進められています。
これらの研究は主に神経科学や行動科学の分野で行われており、中心となっているのは動物を対象にした実験です。一方で、動物実験のような極端な条件(強制的な大量摂取など)でヒトに対して試験を行うことは倫理的に困難なためか、ヒトに関する研究の多くは、動物実験での知見をもとにした考察[1,2]や知見にとどまっているようです。
動物実験からの知見では、「摂食制限と暴食(食べ過ぎ)を繰り返すと、依存のような行動が現れる」[3,4]という一方で、特に制限なく自由に食べさせている環境ではそのような傾向は見られない[3,5]とされています。そもそも砂糖はあくまでも調味料であり、同じ炭水化物の仲間であるご飯やパンのように食べることはほとんどないため、日常的な食生活の範囲では依存につながる可能性は高くないと考えられます。また、欧州の砂糖業界団体(CEFS)は、「ヒトにおいて特定の食品や成分が物質的な依存を引き起こす明確な証拠は存在しない」との見解を示しています。
健やかな食生活のためには、砂糖の取りすぎを気にすることよりも、バランスの良い食事を心がけること、そして食事を楽しむことの方が大切なのではないでしょうか。
本コラムは、精糖工業会「砂糖と健康」研究会が関連する論文や資料を調査し、その内容をもとに作成したものです。参考とした論文の概要は、以下のPDFよりご覧いただけます。

